たつはさまにめっされたい!

文:木枯吹雪

画:冠月ユウ

もくじ

- 第0話:ある朝の出来事

- 第1話:逃走劇

- 第2話:ワンダラー仮面参上!

- 第3話:大聖堂と枢機卿

- 第4話:問答

- 第5話:森の中へ

- 第6話:タツハはじっと我慢の子

- 第7話:ツデローヘデームベドーン

- おまけのどうでもいい解説


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第0話:ある朝の出来事

「お迎えに、あがりました」
重厚な金属の甲冑に全身を包み、胸元に十字架のペンダントをぶら下げた男性が、私の足下に跪く。
私が《司祭》であるように、彼もまた同じ神に仕える《聖騎士》であるのは一目みて明らかだった。
「はい。えっと、何か?」
少し身を屈めて聖騎士の顔をのぞき込む。金髪碧眼、整った目鼻立ち。どちらかと言えば美男の部類に含まれるだろう。しかし、その顔に見覚えはない。
聖騎士は一人ではなかった。彼の背後に数百の……いや、もしかすると軽く千を越えるかもしれない聖騎士達が、同様の姿勢で膝を地に付け、頭を垂れている。
「我らが主よ、お迎えにあがりました」
背後には誰もいない。その言葉が自分に向けられたものであることは間違いない。だがその意味を理解できず、無意識のうちに目をぱちくりとさせる。
今日は特に誰かと会う予定も入っていないし、誰かに呼ばれている覚えもない。お迎えってどういうこと。
「あの、人違いでは?」
ここ数日に渡る記憶の海馬をクロールする限りでは、心当たりは見あたらないのだけれど……万が一の忘却があっては失礼かと思い、丁寧に聞き返す。
「いえ、間違いございません。ここに集う我ら全員が夢に見たお姿、お声、そのままにございます」
「夢……?」
「はい。あなた様は昨晩、我らの夢の中でお告げをくださいました。あなた様こそが、我らの新しき主であると」
「え、なんで」意味が分からない。この人はなにを言っているのだろう。
何かの悪い冗談に違いないと考え、『どっきり大成功!』とかいう看板を探してみる。仮にどっきりだとしたら、これほどのエキストラを集めるのも大変だったろうに。そんな心配は杞憂だった。カメラもスタッフもどこにも見あたらない。
ならばこれは夢なのかもしれないと思い、自分のほっぺをつねってみる。痛い。痛かった。こんなことなら他人のほっぺをつねるんだった。砂氏あたりなら喜んでくれたに違いない。それはそれで不本意ではあるけれど。

残念ながら、これはどうやら現実らしいと認識し、一呼吸を置いて、改めて辺りを見回す。
東門一帯を埋め尽くすほどの聖騎士達。ざわめきすら聞こえない静寂。揃いも揃って、まるで今から忠誠を誓うかのように自分の方を向いている。
先頭に跪く金髪の聖騎士がひときわ大きな声でこう告げた。
「我ら聖職者一同、たった今よりタツハ様に忠誠を誓う次第にございます」呼ばれた気がした。いや、間違いなくそれは私の名前。もしかして人違いという最後の望みは絶たれた。
「教祖タツハ様、なんなりと我らにご命令を!」
ちょっと待って。教祖ってどういうこと。
「ですから、夢の中で、今日よりあなた様こそが我らの神であると」
「えええええ」
いや、どういうこと。ちょっと。え。
なにそれホワイ。
「さぁ、我らに懺悔の時をお与え下さい!『めっ!』とお叱り下さい!」
「タツハ様!」
「タツハ様!!」
「タツハ様ーっ!!!」
「えええええええええええ」

そんなこんなで――私、教祖になっちゃったんです!

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第1話:逃走劇

両腕を大きな振り子のように前後させながら、全速力で町中を疾走する。
人混みあふれる大通りを南へと駆け抜け、南門の手前で染料屋さんの角を曲がり、人気のない裏路地へと身を潜める。
「見失ったぞ!」
「タツハ様、どこに行かれましたか!」
「まだ町の中にいるはずです!」
大通りからはそんなやりとりが聞こえる。幸い、裏路地に入ってくる気配はないようだ。
やがてその声は遠ざかり、辺りから人の気配が消えた。どうにか聖騎士達を撒いたようだ。
どうなってるの。いったいどうなってるの。主とか神とかいったいなんなの。

わけが分からないまま、とりあえず逃げ出してはみたものの、このままでは東門に戻るのは無理そうだ。きっとさっきの聖騎士達が待ちかまえてる。
かといって馴染みのフェイヨンに逃げようにも、カプラ前が抑えられているのは火を見るより明らかだ。タイミングの悪いことに、ワープポータル詠唱用の青ジェムも切らしている。昨日、砂氏を十回ぐらい蘇生したときに使い果たしたのだった。その死因を作ったのは自分の拳にあるような気もするけれど、遠い昨日の話なので忘れることにした。
「よう、ハイプリのねーちゃん。こんなところで何してんだ?」
突然かけられた声にハッとして振り向く。
そこにはさっきまでいなかったはずの、見るからに人相の悪そうな逆毛の悪漢。しまったクローキングで近づかれたのか。迂闊だった
「へぇ、こりゃとびきりの美人だな。スタイルもなかなかモデル級じゃねぇか」
反対側の物陰から別の悪漢が出てきた。一人ではなかったらしい。後から後からぞろぞろと、十人は軽く越えている。
マズい。身の危険を感じる。
どうやってここから逃げようか思索を始めていると、
「おい、こいつ、タツハ様じゃね?」
ひとりがそう呟いた。えっ、なんで知られているの。
「マジかっ!」
「言われれば夢の中で見た女によく似てるな!」
おまえもかブルータス。なんでみんなそんな夢の中で私のこと見ているの。
「そうと分かったら、することは一つしかないぜ……へっへっへ」
さっきの悪漢が、不気味に意味ありげな笑みを浮かべる。
仕方ない。私はまだ二度の変身を残している。この後ろ髪を縛っている拘束具を解き放つべきか――そう覚悟を決め、両手の拳をゆっくりと構えはじめたところで、唐突に悪漢が叫んだ。
「さぁ、タツハ様、俺たちにおしおきしてくれ!」
「……えっ?はい?」
「タツハ様、悪い俺らに『めっ』をしてくれ!」
何言ってるのこの人たち。呆気にとられて、構えた両腕から力が抜ける。
「おい、おまえら!」奥の方にいた悪漢が威勢のいい声を上げる。
「そんなんじゃタツハ様を困らせるだけだろ!」
よく言った。偉い、ほめて使わす。
「ちゃんとこうやって地面に失意前屈体でかがまないと、タツハ様がおしおきしにくいだろ!」
前言撤回。だめだコイツ。
「そうか、よし、じゃ俺も」
「おれもおれも!」

数秒後。そこには屈強な悪漢達が揃いも揃って前のめりに伏している光景があった。なにこれこわい。
どうしたものか考えあぐねてたその時、
「そこまでです!」
凛とした女性の高らかな声が裏路地に響きわたる。
「タツハ様を困らせる不届き者は私が許しません!」
「なんだとっ!?」
「おい、どこだっ、どこにいる!?」
悪漢達が周囲を見回す。同様に自分も前後左右に視線を動かすが、肝心の声の主が見あたらない。
「上だっ!」誰かが叫んだ。釣られて近くの民家の屋根の上を見遣る。
そこには一人の女性が腕組みポーズでこちらを見おろしていた。
背中につけた天使の羽根、同様の装飾があちこちに付けられた深紅のきわどい水着、つばひろの真っ赤な銃士帽、そして顔を隠しているつもりと思われる女神仮面。しかしその焦茶色のポニーテールに見覚えがあった。そう、間違えるはずもない、あのさらさらポニテは――。
「……あやなさん?」
頭の中に浮かんだ疑問が、思わずそのまま口をついて出た。
「だ、誰のことですかっ!?私は通りすがりのワンダラー仮面、あやななんてひとは知りませんっ!」
心なしか顔を紅潮させながら弁明しているけれど、どうみても本人です。本当にありがとうございました。
「てめぇ、邪魔すんじゃねぇ!おしおきされるのは俺達が先だっ!」
「そうだそうだ」
この期に及んでまだそんな事を言ってる悪漢達。だめだこいつら、早くなんとかしないと。
「そんなにおしおきが欲しければ、わたしがしてあげます!とうっ!」
言うや否や、屋根の上から放物線を描いて地上へと飛び降りる。着地した先にあるのは――先ほどからずっと失意前屈体のままの悪漢。
「ぐげぇ!」
蛙の潰れるような声がした。背中が凹の字に折れ曲がっている気もするが、見なかったことにしよう。
「なっ……てめぇ、卑怯だぞっ!」
逆毛の悪漢がありったけの声量で抗議の声を上げる。
「俺のことも踏みやがれっ!」
『えっ』
「おれもおれも!」
「いや俺が先だっ!」
「早く俺の事を踏んでくれっ!」
変な水着を身につけたあやなさ……じゃなくて、ワンダラー仮面と声が重なった。
『なにそれこわい』

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第2話:ワンダラー仮面参上!

ずるっ…ずるっ……ガシッ!
ワンダラー仮面の垂直落下キックを背中に食らった悪漢が、重力加速度9.8m/s^2のダメージに耐えながら、必死の形相でその左足に掴みかかる。
「きゃっ!?」
女神仮面の下から小さな悲鳴が零れる。足首をいやらしく絡め取ろうとする手を振り払おうと、左足で男の上腕を踏みつけるワンダラー仮面。
「ああ、いいぞ。その調子だ。もっと、もっと俺の事を踏んでくれっ!」
踏みつけたのは逆効果だったのか、より恍惚とした表情で催促を続ける悪漢。心なしか、頬まで紅潮しているようだ。
変態だ。間違いなく変態だ。
「い、いやぁああっ!?」
今度は右足で秒間十六連射のかかと蹴りを繰り出すワンダラー仮面。そのすべてが見事に悪漢のわき腹にクリティカルヒットする。
「…………!!!」
流石の痛みに声にもならない悲鳴をあげたようだが、残念ながら可聴音域では聞き取ることができなかった。
白目を剥いてピクピクと全身を痙攣させている。もはや口を開く余力はなさそうだ。
「なんなの、このひとたち……」
「破廉恥な格好のおねぇさん、そろそろ俺も蹴ってくれないか!」
今度は逆毛の悪漢が、ワンダラー仮面の方へ身を乗り出して哀願する。
「だ、誰が破廉恥な格好ですか!!!」指摘されるまでもなく、あやなさ……ワンダラー仮面が身に付けているのは、鋭角ばかりで構成されたきわどい水着である。なんでわざわざそんな衣装を選んだのか。
ワンダラー仮面は右手を後ろに廻すと、腰から鞭を取り出した。
「蹴ると喜ぶというのであれば、あなた達にはこの鞭で充分です!」
ヒュッ──パッシーン!
しなる革が固い石畳を打ち、鞭特有の弾力性のある音が響き渡る。
「鞭……だと?」
悪漢のひとりが目を見開き、驚きの声を上げる。
「まさか、踏みつけだけでなく、鞭のご褒美まで貰えるだなんて!」
『えっ』
またワンダラー仮面と声がハモった。
「さぁ、思う存分に俺の事を鞭打ってくれ!」
「あ、おれもおれも」
「じゃあ俺は素足で踏まれながら鞭打ちで!」
「ずるいぞじゃあ俺もそれで!」
「もう、なんなのこのひとたちー!?」
まるで舞踏会のダンスのように軽やかなステップを繰り広げる両脚と、新体操のごとく自由自在にしなる鞭。
あやな無双がはじまった。


三十分後。
満足げな表情を浮かべつつも、身体はボロボロの、気絶した悪漢達が地面のあちこちに横たわっていた。
「はぁはぁはぁ」
心なしか、ワンダラー仮面の顔にも疲労が浮かんでいるようだ。主に精神的な意味で。
もうマゾヒズムな要求を口に出す悪漢は誰もいない。ワンダラー仮面の少し荒い息づかいだけが裏路地に小さくこだまする。
「あの……、あやなさん?」
かねてからの疑問をもう一度投げかけてみる。
「ち、違います!だから私はワンダラー仮面です!」あくまで別人を主張するつもりらしい。
「え、えっと、そのまま出ていったら、きっとまた『危ないことしないの、めっ』って怒られるから、変装しているってわけじゃないの!」
既に言ってることが支離滅裂になっている。というか変装しているつもりだったんだ。なによりその衣装が一番危ないという事実には気づいていないらしい。
「べ、別にたっちんが心配で来たわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」
まだ何も聞いてないのに勝手に答えてくれるワンダラー仮面。
「いや、私のこと『たっちん』って呼ぶの、あやなさんぐらいしか――」
「ナンノコトダカワカリマセン」なんで片言。
「カイコクシテクダサーイ。ボストンチャカイジケーン」
いや、ペリーさん関係ないし、ボストン茶会事件も違うから。ていうか動揺してる?
「えっと、あやなさ……」
「じ、じゃっ!さらばです、アデュー!」私の呼びかけを途中で遮り、背中の羽根をはためかせながら裏路地をダッシュで逃げていくワンダラー仮面。どこからつっこむべきなのか。
姿が見えなくなったところで、改めてあたりを見回す。あやな無双のなれの果て。残されたこの死屍累々をどうすれば──半ば途方に暮れかけていると、
「いたぞ、タツハ様だ!」
男性特有の張りのある声がする。しまった、見つかった!
どたどたどたっむぎゅっ。
一体この狭い裏路地のどこから湧いたのか、あっと言う間に聖騎士の群に取り囲まれてしまう。
「タツハ様、探しましたぞ!さぁ、ご一緒に大聖堂まで――おや、この悪漢達は?」
どさくさにまぎれて大勢に踏みつけられている、仮死状態の変態生物にようやく気づいたようだ。
「えっと、その……」
なんて説明するべきか。えっと、その、通りすがりのワンダラー仮面が……いやいや、それは説明としてちょっとどうなの。
「もしかしなくても、タツハ様がおしおきなさったのですね!」
いや、なんでそうなるの。確かにこの状況を鑑みれば、あたかも私が一人で倒したように見えなくもないけれど、これをおしおきって。
「これほど大勢の悪漢を相手にして、ご自身の指先一つ傷つけず全員におしおきを行うとは……やはりあなた様こそ我らが主です!」
誤解ここに極まれり。だから主ってなに。
「さぁ、早く大聖堂に!皆がお待ちです!」
聖騎士達のキラキラした瞳が全てこちらを向いている。
追いつめられた袋の鼠。もはや逃げ場はなさそうだった。

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第3話:大聖堂と枢機卿

大聖堂に至る沿道は、どこもかしこも人々であふれていた。町人をはじめとして、商人、狩人、魔術師、錬金術師、ありとあらゆる職業の老若男女が集まっている。
その人混みが、自分目当てなのだと理解するまでに、そう時間はかからなかった。
「きゃあ、タツハ様よ!」
「なんと神々しいお姿……!」
「タツハ様こっち向いてー!」
「タツハ様、私の作った手料理食べてください!」
「あいる社長、申し訳ありませんが爆発物の持ち込みはご遠慮いただきたいのですが――」
「にゃんたるちあ!」
群衆の中によく見知った顔があったような気もしたが、今はそれどころではなかった。
拘束こそされていないとはいえ、事実上の連行に等しい。
大聖堂の前に着いたところで、聖騎士の鋭い声が響きわたる。
「これより先、関係者以外は立ち入り禁止である!道をあけよ!」その言葉を合図に人垣が割れ、大聖堂の重厚な扉が左右に開かれる。
一体これから中で何が起こるのか、不安を胸に抱きながら、ゆっくりと足を踏み入れた。

石造りの大聖堂はパイプオルガンの音色で満たされており、祭壇まで一直線に敷かれた絨毯の左右には《司祭》や《侍祭》が各階級ごとに綺麗な三列でひざまづいている。
「さぁ、タツハ様。こちらへどうぞ」
金髪の聖騎士に促されるまま、ゆっくり前へと歩みを進める。見知ったはずの大聖堂なのに、やけに空気が重々しい。なにより、これほどの聖職者が一堂に会したところを目にするのも初めてだった。
祭壇の正面に聳えるのは、世界樹ユグドラシルを中心として創世神話の描かれたステンドグラス。
その真下に、一人の男性が立っていた。服装から察するに《枢機卿》のひとりだろう。だがその顔は《枢機卿》にしては若く、余計に見積もっても30代半ばにしか見えない。何の感情も浮かべていないひどく無愛想な表情からは、その内心を察することはできない。自分に向けられている怜悧な双眸は、こちらから話しかけるのを待っているようにも思えた。
意を決して口を開く。
「猊下」
名前がわからないので、敬称のみで呼びかける。しかし、その後に続ける言葉が思い浮かばない。えっと、そもそもなんで私ここにいるんだっけ。
言葉に詰まっていると、《枢機卿》はゆっくりと口を開いた。
「我が名はコペルニクス。気さくにコッペパンとでも呼んでくれてかまわない」なんでコッペパン。食べられたいのか。
自称コッペパンは、眉一つ動かさずこう続けた。
「よくぞ来た、新しき神タツハよ。我がラスボスだ」
……はい?え、なにそれ。どういう急展開。
理解しようとする努力を中断し、とりあえず腰にぶら下げた吹き矢に手を伸ばしかけたとこで、
「待て。冗談だ。撃つな!」両手を伸ばして必死に首を左右に振るコッペパン。冗談という言葉があと一秒遅ければ、うっかり倒してしまうところだった。
いや、むしろその方が世界のためにはよかったんじゃないかと第六感で感ずるところもあったが、ひとまず吹き矢は収めることにした。
「さて、タツハ。汝をここに召喚したのは他でもない」両腕を広げ、こう続ける「ここに集いし我ら教徒らが、夢で見た神のお告げを、現実のものとする時が来たのだ!」
ひと呼吸おいて、声高らかに宣言が続く。
「タツハよ。本日より、汝を新教皇とする!」
わぁあああああ!
それまでの沈黙を一気に破り、大聖堂のドームを震わせんばかりの歓声がわき起こる。
「新教皇様、ばんざいっ!」
「ついに、タツハ様による新世界がはじまるのね!」
「きゃあ、タツハ様ーっ!」
「素敵ーっ!」
「サインしてーっ!」
「これでフレイアの幼女教皇にも勝つる!」
「おいも4ゼニー、いらんかねー」
「買った!100個くれ!バリバリッ」
『やめて!』
後半がカオスと化しているのが気になったが、今はそれどころではなかった。
聖騎士達に取り囲まれて大聖堂に来てみれば、いきなり新教皇就任宣言。一体これは、どういうことなの!?

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第4話:問答

正直、神に仕える身とはいえ、教会行事とは縁遠い生活ばかり送ってるので、内情について詳しいわけではない。
だが一介の信者として、その地位に就くものはコンクラーベと呼ばれる根比べみたいな密室会議を経て、枢機卿の中から選ばれるということくらいは知っている。間違えても、司祭からいきなり昇格できるような軽い地位ではないはずだ。
「なぜ、私なのですか?」単刀直入に疑問を投げかける。事態の収拾とまではいかなくとも、せめて、納得のいく理由がほしい。
「あなたこそが、新しき神だからです」
大げさな身振りをするコッペパンから語られた答えは、満足のいくものではなかった。
「えっ、どういうこと」
夢の中のお告げだの、主だの、当の本人はわけがわからないというのに。
「ああっ、そういう謙虚なところも素敵ですわ!」
「タツハ様、最高ですっ!」
「きゃあ、タツハ様ーっ!」
「TA・TU・HA! TA・TU・HA!」
「ぽけらみょーん!」
なんでどうでもいい発言にいちいち反応してるの、この人達。どうしてこうなった。どうしてこうなった。
おかしな台詞も混ざっている気がしたが、敢えてスルーすることにした。もう逃げていいかな。

「ここにいる我ら一同、新教皇による救世を願い、全国津々浦々より馳せ参じたのであります!」
金髪の聖騎士が雄々しい声で叫ぶ。声量がでかくて耳が痛い。その発言を皮切りに、
「モロクから来ました!」
「自分はアルベルタからです!」
「フェイヨンから!」
「エルダー森から!」
「Let'sから!」
「RODNから!」
「VIPから来ますた!」
それぞれ好き勝手に出身地を語るものだから、途中から音声が入り交じって雑音にしか聞こえなくなる。とりあえず最後の人は帰っていいと思う。
大聖堂の中にいる誰もが興奮しており、熱狂は静まることを知らない。これを本当の狂気というのではなかろうか、そんな考えが脳裏をよぎる。
一番考えたくないのは、その中心にいるのが自分だということなのだが。
「タツハよ。汝を信望する誰も彼もが、いまこの大聖堂に集っているのだ。さぁ早速、新教皇就任の儀式を――」
枢機卿の発言に、何かひっかかるものを感じた。いったいなにが。今の発言を、もう一度頭の中でリフレインさせる。

 誰も彼もが集まっている。
 信望する、誰も彼もが。

「……信徒のみなさんは、全員集まっているんですよね?」
できる限りの微笑を浮かべながら、枢機卿に問いかける。
「無論だ。大陸中の全てとは言わないが、少なくとも首都にいる信徒達はみな、この大聖堂に集めた。町中をうろうろしている信徒は一人もいないはずだ」自信満々に答える枢機卿。
「本当に?間違い、ないのですね?」
「ああ、間違いない」
「そう、うろついてる信徒はひとりもいないのね」
まるで友人の誕生日を心から祝うかのようにニッコリと微笑み、指先を揃えた右手を自分の頬に添える。営業用スマイル。このぐらいはサービスしてもいいだろう。
そしてもう一方の左手で、スリットの中の蝶の羽を力一杯握りしめた。

ひゅんっ

「あっ!逃げたぞ、追うん――」
あわててこちらへと駆け寄る枢機卿が視界から消えると同時に、声も届かなくなる。
瞬きの後、先ほどまでの風景と入れ替わるように、見慣れた町の東門が視界を覆いつくす。
そう、ここは私のセーブポイント。周囲に人の気配は数えるほどしかいない。そしてその誰もがこちらに注意を向ける様子もない。どうやらほとんどがAFKのようだ。

脱・出・成・功!
唯一、こちらの動態反応に気づいた第三次産業従事者――客足が途絶えて商売あがったりなのか、こちらから話しかけてもいないのに、各種サービスの押し売りをはじめようとするカプラ――を無視して、一目散に城門をくぐる。
聖衣のスリットがめくりあがるのも気にせず、私はそのまま東へと駆けだした。

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第5話:森の中へ

気がつけば、暗い森の中をさまよっていた。
恐らくここは首都の北東、通称マンドラゴラ森。入り組んだ獣道と、触手だらけの食人植物が巡礼者を迷わせる奇怪な森林。

駆け出しの《侍祭》の頃ならいざ知らず、とうの昔に《司祭》になった自分にとって、食人植物など恐るるに足りない。が、やはり精神的な気味の悪さはどうしても拭いきれない。こんな場所を好きだというのは、相当の変態か頭のおかしい人に違いない。
ここからどの方角へ逃げるべきか──いや、そもそもここは森の中のどのあたりなのか。
天を仰ぐが、鬱蒼と茂る樹木やツタで隠された太陽は、何の手がかりも指し示してはくれない。
完全に道に迷っていた。
いまさらテレポートを利用して首都に戻ったところで、聖騎士達が待ちかまえているのは間違いない。かといってこのまま森の中を彷徨っていても、気味が悪いだけだ。もしかすると、既にこちらへと捜索部隊が派遣されているかもしれないというのに。
途方に暮れかけたとき、近くで何かが動く気配がした。
歩みを止めて、耳を澄ます。

しゅるるるるっ

衣擦れのようなこの音には聞き覚えがある。食人植物の触手が伸縮する音だ。特に、有機タンパク質から構成される獲物を見つけたときに発せられる部類の──。
腰の吹き矢にそっと手を伸ばし、ゆっくりと物音のする茂みへと近づいていく。
うっすらと人影が見えてきた。どうやら体格からして女性のようだ。何か大きな箱のようなものを振り回している。
気づかれないように、身を屈め少しずつ距離をつめる。
大きな箱のように見えたのは、木製のカートだった。それを両手で振りまわしながら、ひらりと広がる短いスカート。いまにも中が見えそうだ。
容姿から判断するに、おそらくは女性の錬金術師だろう。渋い色の帽子の下に隠された、薄茶色のパッツンボブ――その顔には見覚えがあった。
「……どきどき、何やってるの!」
自分が今まで隠れていたことも忘れ、思わず声をかける。
「わっ!びっくりしたー!あれー、タツハさまだー」
息絶えた食人植物を木製のカートでダメ押しのように牽きながら、緊張感とは無縁そうなぽやーっとした表情をこちらへ向ける。この子の辞書には果たしてシリアスとか真面目とかいう言葉はあるのだろうか。いや、きっとないに違いない(反語)。

「ねぇねぇ、植物の茎もってないー?あれば買い取るよー」
「持ってないわよ。アルコールの材料集めてるの?」
「うん。たくさん作って酒場に売りに行こうと思ってー」
「え、酒場?飲料用のアルコールも作れるの?」
「ううん。メチルアルコールだけどね」
「待って、それは飲んだら失明するから。犯罪だから」
よい子は決して真似をしてはいけません。
「なんでアルコールの材料って、触手植物とお化けキノコなんだろうね。考えようによっては卑猥な組み合わせだよねー」なんでそんなことを考えるのか。
「あのね、どきどき。それはあなたの頭の中がおかしいの」INTはあるのにおつむが足りないとは、まさにこの子のことだと思う。
「いやーん、そんなに褒めないでっ。てれてれ」
「褒めてない褒めてない」即座に片手を振って否定する。
小さな溜息をつきながら、そういえばまだ肝心なことを聞いていなかったと思い起こす。
「それよりどきどき、ここがどこかわかる?」
「うん。森の中だよ」わかりきった答えが返ってきた。彼女はこう続ける「触手だらけの森って落ち着くよねー」いや、そのりくつはおかしい。間違いなく彼女は変態か頭がおかしいかのどちらかだ。もしかしなくとも、その両方という可能性もあるが。
「そうじゃなくて、ここが森の中のどのあたり――」
そこまで言いかけたとき、近くで金属同士がふれあう音がこだました。ハッと周囲へ聞き耳をたてる。間違いない、聖騎士達だ。
発生源は一方向ではなかった。まるで自分を取り囲むように、三方向から近づいてくる。マズい。
「どきどき、ちょっとカート貸して!」返事を聞く前に、彼女の木製のカートの蓋を開ける。
「えっ、タツハ様ハイプリなのにプッシュカート覚えたの?すごーい!」
「違う。そうじゃなくて。いいからちょっと隠れさせて!理由は後で説明するから」早口でまくしたてる。
「うん、わかったー?狭いけどどうぞー?」頭上に疑問符を浮かべつつ、カートを傾けるどきどき。
「ありがとう!」
あわててその中に入り込み、自分で蓋を閉める。視界が暗黒に包まれる。あとは彼女を信じるしかない──。

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第6話:タツハはじっと我慢の子

カチャリカチャリという金属片のふれあう音とともに、いくつもの足音が近づいてくる。
「おい」
聞き覚えのある男の声がした。恐らくあの金髪聖騎士だ。
緊張する一瞬。音を出さないように、口の中にたまった唾液をこくりと飲み込む。
「なぁにー?」
どきどきの緊張感のない返事が聞こえる。演技なのか何も考えていないのかは分からない。後者のような気がするが。
「この森の付近でタツハ様を……見目麗しく、カリスマオーラに満ち、神の器を有する女性司祭を見かけなかったか」
どんな説明なの、それは。
「えー、よくわかんなーい」
のほほんとした口調で返事をするどきどき。
「他に特徴はー?」
ちょっと、なに余計なこと聞いてるの!
「そうだな、他には」別の男性の声が続く「目が二つで鼻が一つ、そうそう口と耳もついている」
あたりまえだ。ついていなかったら何だというのか。
「あっ、見た見た、その人見たことある!」一瞬どきっとする。ざわ……ざわ……。
短い沈黙。
「さっき南の入り口の方で見かけたよー。でもこの森には入らないで、海岸の方に引き返していったみたいー」 ありがとう、どきどき!
「なにっ、それは本当か!?」
続けて大勢のざわめく声が聞こえる。予想よりも多くの聖騎士達が駆り出されているらしい。
「うんうん。衣の裾を両手で持ち上げて、白いガーターベルト見せつけるように走っていたよー。あっ!そういえば肌色いっぱい見えてた。もしかして……穿いてないのかも!」
ちょっ。思わずツッコミの声を上げそうになるが、じっと我慢の子。
「なに……それは本当か!?」ざわめきが一段と大きくなる。
「穿いてないタツハ様……だと!?」
「な、なんだってー!?」
「これは大至急、保護せねば!」
「ありがとう、助かったよ!」
「よし、全員、森の入り口まで戻るぞ!海岸付近を徹底捜索だ!」
ザッザッザッ
摩擦音を伴う重厚な足踏みの音が次第に遠ざかっていく。

しばらくして訪れた沈黙。無事に聖騎士達の気配も消えたようだ。
「……ふんふんふーん♪ わんだらー、わんだらー、おっもちっがふったつっ、わーんだらー、かーめんー♪」
どきどきが鼻歌交じりに小さく歌う。え、なにその歌。
「もう行ったみたいだよー」
彼女の声を合図に、ゆっくりと蓋を持ち上げ、隙間から辺りを伺う。彼女の言葉どおり、聖騎士達の姿はどこにもなかった。
周囲が安全になったのを確認して、カートから両足をおろし、裾に付いたほこりを払う。
「あ、靴下穿いてないままカートのなかに潜り込んでたけど、足の裏とか大丈夫?アイテムごろごろしてたでしょ、痛くなかった?」
「……とりあえず、どきどき」
右手をゆっくりと、小指から順番に握りしめる。
「うん?なぁに?」
きょとんとした顔で首を傾けるどきどき。
その笑顔を見ながら、全身全霊を右腕に集中させる。
「靴下穿いてないだけなのを、紛らわしい言い方するんじゃないのー!誤解されるじゃない!なんてこというの、なんてこというのー!」
私の拳が彼女の鳩尾に炸裂した。

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第7話:ツデローヘデームベドーン

「ねぇ、ひょっとしてどきどきも昨夜、私の夢を見たの?」
かねてからの疑問はそれだった。
ゆっくりと拳を広げながら、食人植物に頭からつっこんで逆立ち状態になっている謎の物体D(※モザイク付き)に問いかける。
「うーん、タツハ様の夢?かわいいお嫁さんになりたーい、とか?」
先ほどの巻き添えを食らって、一撃で息絶えた食人植物の巨大な花房からずるずると這い出ながら、天然ボケを返してくるどきどき。
「いや、そういう夢じゃなくて。寝ているあいだに見るほうの」
「あ、ひつじさんの方の夢ね。うんうん、見た見た!」両手をぶんぶん振り回して興奮気味に続ける「すごいよね、タツハ様がぺかーって光って、ごわーってなって、女神様になっちゃうんだもん!」
え、なにそれ。意味が分からない。確かに夢なんてのは、言葉にしようとすると支離滅裂になる類のものではあるけれど。それにしても擬音が多すぎて全容が掴めない。聞いた私が馬鹿だった。
とりあえず彼女も私の夢を見ていたということはわかった。それでも私を匿ってくれたのは、友人だからなのか、あるいは単純に個人の信仰心の薄さ故なのか──。
「ひょっとして、世界中のみんながおんなじ夢を見たのかなぁ」
一番考えたくなかった仮説をさらりと口にするどきどき。いままで極力その可能性については考えないようにしていたのに。

しかし。もしその仮説が現実のものだとすれば、殊更こんな所でいつまでも長居しているわけにはいかない。時間の経過と共に追っ手の数が増える危険性すらあるのだ。
改めて自分の置かれた状況を認識し、若干焦りを感じ始める。
「ねぇ、どきどき。青ジェムの在庫とか持ってない?あれば売って欲しいんだけど」
さっきカートの中に隠れたときに、何かの魔法石が片隅に置かれていたのを思い出した。その暗さゆえに色まではハッキリと確認できなかったのだけれど、もしあれが青ジェムならば、ワープポータルでどこか他の街へ逃げられるはず――。
「カートの中にあるやつ?これはツデローヘデームベドーンだよー」
「え。ツデロー……え、なに?」
「ツデローヘデームベドーン、ほら、これー」
そう言って彼女が取り出したのは、蜂蜜を固めたような色をした魔法石の結晶。青じゃなかった。がっくりと肩をうなだれる。
「あのね、それは黄ジェムっていうの」
「あっれー、そうだっけー?」
「……どきどき、念のために聞いてみるけど、この武器の名前は?」
そういって彼女のカートから一本の鋭利な刃物を取り出す。
「うん、ニタナ」
「いや、カタナだから。じゃあこれは?」
「ジッハベ」
「アックスでしょ、これ。これは?」
「・ヌー」
「えっ、いまのどうやって発音したの」ちなみに正解はダガー。「なんで全部重力語なの」
懐かしい以前に目眩がしてきた。こういう人は未だにエンジェラスのことをアンゼルスといったり、マグニフィカートのことをマニピカットとか言ったりするのだ。ていうか木枯さんのことだけど。
「うーん、青ジェム、青ジェム、あったかなぁ」
ごそごそとカートの中を漁り始めるどきどき。無防備に屈んでスカートの中が丸見えなのは気にならないらしい。いや気にしようよそこは。いろいろと。
「ごめん、やっぱりないやー。ワープポタルの魔法でも使うの?どこかにおでかけー?」
そう問われて、ふと考え込む。いったいどこへ逃げれば、安泰になるのだろうか。
「とりあえず……首都から遠くへ逃げたい?みたいな」漠然とした答えしかでてこない。
「んー、それならこのまま北へ抜けて、アルデバランにでも行けばいいんじゃないー?」
徒歩!そうか、その手があった!
「ナイスアイディア、どきどき!」
「ポタがなければ歩けばいいじゃない、ネギー・シャチョウワネット」
「え、誰それ」
「そんな感じの偉い人が、そんなこと言ってた気がするー」
マリー・アントワネットとは語呂的に似ても似つかない気もしたが、とりあえず体力温存のためにもこれ以上のツッコミは控えることにした。
「ねぇどきどき、この森の北の出口はわかる?」
「うん、わかるよー。伊豆ダンジョンとこの場所は、もう自分の庭みたいなものだしね」
どういう共通点があるのかなんとなく予想は付いたが、敢えてスルーを決め込んだ。

「ここが森の出口だよー。北北西にずーっと行けばアルデバラン、真西に行けばプロンテラフィールド01」なんでそこだけマップ名なの。
一時間ほど歩いただろうか。ようやく見覚えのある場所に出ることができた。
途中、うねうね蠢く食人植物を見かけるたびに、飛び込もうとするどきどきの襟首をつかみ、本来の道案内という役割に戻させること数十回。えらく時間がかかった気がする。
それでも、ようやく見えてきた希望の光。これで気味の悪いこの森からも、聖騎士達の追跡からも、逃げることができる。
「ありがとう」
短く感謝の言葉を伝えると、彼女はニッコリと笑い、手を振ってそれに応える。
「んじゃまたねー」
そう言いながら、彼女はまたカートを牽きながら森の中へと戻っていった。
「しょーくしゅしょくしゅー、うねうねしょーくしゅー♪」
だから何なのその歌は。

アルデバランへと続く森の出口。
木々から垂れ下がる蔦を振り払い、ミョルニール山脈の山道へ出ようとして──目の前に広がった光景にぎょっとする。
その先にあるべき山脈が、道が半ばで途切れていた。まるで地図の上をナイフで切り取ったかのように、鋭利なラインの先には漆黒の奈落。
「……え、なにこれ」
試しに蹴落とした石ころは、いつまで待っても地面を叩く音をたてることなく、やがて重力落下の風切り音すら聞こえなくなる。
恐る恐る近寄り、断崖の下方をのぞき込む。まるでこの場所こそが世界の果てであるかのように、光すら届かぬ無限の闇がどこまでも続いていた。

「どういうことなの……?」

――世界に、何か異変が起きている。


第二章へ続く

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どうでもいい解説

【聖騎士】
クルセイダー・パラディンのこと。女性のふとももはむちむち、って砂氏が言ってた(※言ってません)。なお、聖エルザクルセイダーズとは何の関係もない。

【司祭】
プリースト・ハイプリーストのこと。現実には「ハイプリースト」という役職は存在しないため、本作品では両方とも「司祭」の訳をあてた。(ちなみにアークプリーストだと「首席司祭」となる)

【悪漢】
ローグのこと。せっかくの逆毛なので「wwwっうぇ」とか発言させればよかったと後悔するも後の祭り。その正体がどこぞの閣下かどうかは謎。

【パイプオルガン】
木枯さんの出身校の礼拝堂(旧PS講堂)には巨大なパイプが何本も聳えていたのだが、実はただの電子オルガンしか設置されておらず、パイプは全てハリボテだったと聖書の先生に聞かされた。本当にどうでもよかった。

【侍祭】
アコライトのこと。侍者、堂役とも。

【枢機卿】
カーディナル、教会組織の偉い人。2009年11月現在、日本人では一人しか存在していない

【砂氏】
タツハ様の忠実な下僕。ワンダラー……じゃなくて、あやなさんとタツハ様の両方から同時に踏み踏みされるという羨ましい経験を持っているとかなんとか。今そんな噂を適当に考えた。

【染料屋さん】
いつも首都の南門付近で染料売ってるアルケミさん。キノコが嫌い。ときどき在庫切れで白ポしか売ってない事もある。(追記:ちなみに白ぽだけ売ってるのは中の人がPCの前にいる時であって、在庫切れではないそうです。本人からそう連絡が入りました。ここに謹んでお詫びするとともに、今度白ポ売ってるところを見掛けたら転職用キノコをばら撒きにいく所存です)[URL]

【あいる社長】
爆発手料理創作者。硝石と硫黄を混ぜて「かやくご飯」を作るという噂も……おっと、誰か来たようだ。[URL]

【おいも4z】
β時代のいもの原価。もしかして:伏線。

【カプラ】
言わずと知れた便利屋さん。創業者はルティエあたりの出身だと、昔ひゃっくたん(日本鯖初代GM)が言ってた気がする。

【ひゃっくたん】
日本鯖初代GM。試しに今ぐぐってみたら、Wikipediaに項目があって吹いた

【Let's_Ragnarok!】【RODN】
β時代、そういう情報サイトがあった。

【マンドラゴラ森】
prt_fild02。アコ転職クエストでこのマップを通過しようとして泣いた人は数知れず。

【おもちがふたつ】
なんのことか僕にはさっぱり。

【靴下履いてない】
タツハ様は家では靴下履いてないそうです。私もですが。素足ばんざい。

【ワープポータル】
昔はテレポートをレベル7以上にした上で、ワープポータルをレベル8以上まで上げてやっとスキルが発動するという苦行魔法だった。しかもレベル10にしてしまうと転送先がバグるという罠付きで。

【重力語】
ニヌクナー。

【ネギー・シャチョウワネット】
「ネギがなければニラを食べればいいじゃない!」と言ったかどうかは謎。

【伊豆ダンジョン】
正式名称は海底洞窟ダンジョン。イズルードから船で往来する必要があるためこう呼ばれる。ニッパとザエとヒドラがうねうね。

【ニッパとザエ】
「ねぇザエ君、圧力鍋を拾ったよ!」「…………」「ねぇ、どうして僕を鍋の中に入れるの?なんで蓋を閉め──」