Forbidden Palace Library 番外編 3番街の物語

ローラの家 3番街地図 3番街地図

フランソワ 「ローラ、ローラ?どこにいるの?」

ローラ 「……なぁに?おかぁさん?」

フランソワ 「あら、そんな所に居たのね。気がつかなかったわ。」

ローラ 「……わかったら、あたしを踏んでるその足を早くどけてよね。」

フランソワ 「ローラ、かくれんぼするなら今度からお外でやりなさいね?」

ローラ 「おかぁさんが勝手にわたしを踏んづけたんでしょっ!」

フランソワ 「……ローラ、他人のせいにしてはいけませんよっ!
 貴方をそんな子に育てた覚えはありませんわっ!
 ……ママは恥ずかしいわっ! しくしくしく。」

ローラ 「……どうでもいいから早く足どけて……っ。」

フランソワ 「あのね、ローラ、実は貴方におつかいをお願いしたいの。」

ローラ 「おつかい?」

フランソワ 「ええ。
 氷屋さんでお肉を買ってきて欲しいの。
 夕食のビーフシチューに使いたいから。」

ローラ 「えー……オーロラおねぇちゃんに頼めばいいじゃない。」

フランソワ 「それがねぇ、あの子どっかいっちゃったのよ。困った子ねぇ。」

ローラ 「あたし、いま絵本読んでて、いそがしいの。」

フランソワ 「あらあら、そうなの。
 ……わかったわ。じゃあローラのシチューには
 ピーマンとニンジンをたっぷり入れておくわね。」

ローラ 「おかぁさん、にこやかに笑いながら、人の背中ぐりぐり踏みつけないでくれる?」

フランソワ 「で、行ってきてくれるわよね?」

ローラ 「はいはい。」

フランソワ 「じゃあコレ、お金。落とさないのよ。」

ローラ 「はーい。」

フランソワ 「そうそう、ちゃんとお釣りも返すのよ」

ローラ 「……え?」

フランソワ 「何よ、その『え?』ってのは?」

ローラ 「う、ううん、なんでもなぁい☆ じゃあいってくるねぇ。」

フランソワ 「寄り道しないのよぉ。
 …………ってあら、ローラ、どうしたの?
 床に寝ころんだままで? 早く買いに行ってきてちょうだい。」

ローラ 「おかぁさんがあたしを踏みつけてるから、ちっとも動けないんじゃないのっ!」

フランソワ 「……ローラ、さっきもいったでしょ、あれほど他人のせいに……」

ローラ 「なんでもいいから早くその足どけてっ!」



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