Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
王城3階 作戦会議室



レナード 「というわけで、
 前回の最後で秘書から取り上げた有給休暇だが
 まだそのまま残っていてな。」

「あのー、それ本気で返してくれないんですか?」

レナード 「無論。」

「しくしくしく。」

アシスト 「で、没収した有給ってどのぐらい残っているんだ?」

レナード 「約2週間というところだな。」

ユリア 「14日間……それだけあったら温泉旅行行けるわねー☆」

アシスト 「どこの温泉いくつもりだよ?」

ユリア 「フーリエ温泉☆ 肩こりに効くのよ☆」

「……そういえばアークライト師団長だけじゃなく、
 ベル師団長の姿も見えないんですが。
 どこいったんでしょう?」

エリーゼ 「確か今日は非番だったはずよ。」

アシスト 「いなければその分俺が有給休暇を手にする確率が上がるわけだしな。」

ユリア 「そうそう、話を逸らそうとしたってダメよ、秘書ちゃん☆」

「しくしくしく。それで、その有給休暇どうするんです?」

レナード 「よし、ではこうしよう。」


はらはらはら


「ってレナード将軍っ!!!
 窓から紙飛行機にしてとばしてどうするんですかぁっ!?
 有給休暇の書類ですよっ!?」

レナード 「早い者勝ち、ということで。」

アシスト 「なにっ!?」

ユリア 「ええっ!?」


どたどたどた


「あああああ、ユリア師団長とアシスト師団長が……」

レナード 「よし、わかった。
 ならばあの書類を無事に取り返したら、
 有給は全てお前に返してやろう。」

「ええっ!?本当ですかっ!?」

レナード 「私に二言はない。」

「……いつもすぐ意見ころころ変えている気がするんですが。」

レナード 「何か言ったか?」

「いえ、何も。」

レナード 「そんなこと言っている間に、書類は奴らの手に渡ってしまうかもしれんぞ?」

「ああっ!
 はやく探しに行かなきゃっ!!!」
(これはなんとしても、取り返さなくては…………。)



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