Forbidden Palace Library #12 夢みよ乙女達


王都シルバニア
大通り




アシスト 「どうだ、秘書。そっちは見つかったか?」

「いえ、全然……ということは、アシスト師団長も?」

アシスト 「ああ。さっぱりだ。それが僕にもさっぱり」

「……あんまりどころか全然アークライト師団長に似てないです」

アシスト 「そうか。俺の実験台になりたいか。いやー、助かるなー」

「そんなこと言ってませんっ!
 それよりこういう時ってどうすればいいんですかね。
 何か手がかりでもあればいいんですが……」

アシスト 「手がかりか……うーむ」

「ネックレスの目撃情報でもあれば話は早いんですが」

アシスト 「そういや拾得物は市民軍の詰め所に届ける法律になっていたな。
 ああ、ちょうどいい。
 秘書、ちょっと届け物が出てないか聞いてきてくれ」

「市民軍の詰め所って、あのー、もしかすると」

アシスト 「そうだ、城壁だ」

「……なんだか嫌な予感しかしないんですが」

アシスト 「ん?そうか?俺は特に何も感じていないぞ?」

「いえ、その、えっと。
 そもそも、どうしてそんな法律になっているんですかね。
 王立軍が拾得物担当でもいいじゃないですか。」

アシスト 「誰かがそういう法律を作ったからだろう。
 それに王立軍には該当部署がないのも事実だしな。
 平常時の治安は市民軍が担当して然るべきだ」

「うーん……」

アシスト 「万が一、落とし物と称して危険物が届けられると厄介だからな。
 そのために拾得物は王城から最も遠い外周部、
 城壁守護隊に届けられる事になっている」

「なんとなく理解できたような、できないような」

アシスト 「よし、頼んだぞ。俺はもう一度王城までの道のりを戻ってみる」


てくてくてく

「あ、あのー、
 できれば私がそっちの捜索を……あーあ、行っちゃった。
 しくしくしく」



▽ 嫌々ながら城壁へ向かう


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