『レタス畑に愛を込めて』 Forbidden Palace Library::

大陸歴314年




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フェーゴ共和国
氷都シェザ/3番街

オーロラ 「愛ってなんだと思います?」

ローラ 「どうしたの、オーロラおねぇちゃん。」

オーロラ 「愛しのダーリンが最近私に構ってくれないの。」

ローラ 「要するに、
 隣のお兄さんが冬休みの宿題に追われてて
 遊んでくれないんでしょ。」

オーロラ 「あら、
 わたくしはお兄さまの本命でしてよ。
 遊びなんかではありませんわ。」

ローラ 「そういう遊びじゃなくて。」

オーロラ 「やっぱり、愛がなくなってしまったのかしら?」

ローラ 「……オーロラおねぇちゃん、いまいくつ?」

オーロラ 「9つ。」

ローラ 「その歳で愛を語られても。」

オーロラ 「やはり、この間アイスクリームを持っていったとき、
 ストロベリーをとってしまったのが原因?
 バニラでは愛は伝わらなかったのかしら。」

ローラ 「オーロラおねぇちゃん、それちょっと愛とは違う。
 ……ってちょっとまって!
 もしかしてこの間のわたしのおやつがなかったのって……。」

オーロラ 「おほほほほ。
 魚屋さんなんかに遊びに行っている方が悪いんですわ。
 早い者勝ちという言葉をご存じ?」

ローラ 「ずっるーーーいっ!!
 ねー、おかーさん、
 オーロラおねぇちゃんがわたしのアイス食べたー!」

オーロラ 「おほほほほほ。」

フランソワ 「あら、そう。あれ、美味しかったわよね。」

ローラ 「えええっ!?」

オーロラ 「おほほほ。事前に一口賄賂は渡してありますことよ。」

ローラ 「がーーーんっ! 共犯者だったの!?」

フランソワ 「主犯はオーロラよ☆」

ローラ 「……いいもん、ぐれてやる。家出してやる。」

フランソワ 「夕飯までには帰ってくるのよ。」

ローラ 「はーい。」

オーロラ 「いってらっしゃーい。」

ローラ 「…………。」

オーロラ 「…………。」

フランソワ 「…………。」

ローラ 「……はっ! ちがう、それ家出じゃない。」

オーロラ 「やっと気づいたんですの?
 ずいぶんと遅いですわね、ローラ。
 脳に栄養行き渡ってるのかしら?」

ローラ 「おねぇちゃんと同じもの食べてるもんっ!」

オーロラ 「あら、言うようになりましたわね。
 その割には胸の発育が違いますことよ。
 おほほほほ。」

ローラ 「……もう少ししたらおっきくなるんだもん!」

オーロラ 「その頃、わたくしはもっと大きくなっていますことよ。」

ローラ 「うー。おかぁさん、オーロラおねぇちゃんが……。」

フランソワ 「あら、どしたの?」

ローラ 「………………。」

オーロラ 「………………。」

ローラ 「あれが、オトナの発育なのね!」

オーロラ 「どうやら私たちのライバルは身近なところにいたようですわね。」

フランソワ 「……ふふふ。まだまだ子供ね、ローラは。」

オーロラ 「そしてあれが『オトナのよゆう』の表情なのかしら。」

ローラ 「……こ、こう?」

オーロラ 「それはただの苦笑いですわ。」

ローラ 「じゃあさ、じゃあさ、こう?」

オーロラ 「……不気味に笑っても余裕の表情にはなりませんわ。」

ローラ 「ムツカシイね、大人のよゆうって。」

オーロラ 「これが年の差ってものですわ。」

フランソワ 「オーロラ、何か言った?」

オーロラ 「いいえ、何も、美人のお姉さま。」

ローラ 「……ねぇ、あたしに妹はできないの?」

フランソワ 「ふふふ。さぁ、どうかしら?」

オーロラ 「おほほほほ。
 どうあがいてもわたくしに勝てないから、
 妹を欲してそれに勝とうというワケですのね。」

ローラ 「うー。いいじゃーん。
 そうすればストロベリーのアイスもバニラのアイスも
 あたしが食べれるもん。」

オーロラ 「まだ根に持っていたんですの?」

ローラ 「食べ物の恨みは忘れないんだもんっ。」

オーロラ 「食い意地が汚いんですのね。」

ローラ 「おねーちゃんのせいじゃないっ!」

オーロラ 「おほほほほ。記憶にありませんわ。」

ローラ 「ねぇ、おかぁさん。妹欲しいー。」

フランソワ 「あらあら。
 それじゃあレタス畑に行って
 収穫してこないといけないわね。」

ローラ 「えっえ、収穫?」

オーロラ 「子供って、レタス畑で生まれてくるんですの?」

フランソワ 「そうよ☆」

ローラ 「ええっ!?そ、そんな……本当にそうなの?」

フランソワ 「もちろん。
 ちなみにオーロラはニンジン畑、
 貴方はトウモロコシ畑で生まれたのよ。」

ローラ 「がーーーーんっ。」

オーロラ 「ニ、ニンジン畑……。」

フランソワ 「そう、愛はレタス畑にあったのね。
 早速ダーリンに届けに行かなくては☆
 レ・タ・スに愛をこ・め・て☆」

ローラ 「えええええっ!?」


お・し・ま・い☆


あとがき

例によってなんのタメにもならない話
後にノーベル家(ローラの嫁ぎ先)に生まれた子供達が子々孫々「あなたは野菜畑で生まれたのよ」と教えられるようになったのは、
どうやらこの人(フランソワ)の些細な一言が原因らしいというお話。
例えばデニス=ノーベル君の場合、真実が明かされる前に両親が死んでしまったため誤解が解けないままトラウマに(以下略)
タメにならないどころかダメになってる気もするんですが、気のせいということで。


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ちなみに、その後生まれたのは弟でした(オチ)。

なにはともあれまた次回作で。
ではでは。


           24回目の誕生日に
                        木枯 吹雪


2002/03/21 初版

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