Forbidden Palace Library #W01 『真実の継承者(後編)』

『真実の継承者(後編)』




シルバニア王国
王城5階 女王寝室



白銀の都、シルバニア。
市街を取り囲む城壁がその色の輝きを持つ事から、こう呼ばれる。

その扇形の中心部には、同じく白銀に染められた王城がそびえている。

レミィ陛下 「Zzz……ん……。
 ……ふぁ……もう夜ですのね。
 よく寝ましたわ。」

ウィルバー 「…………静かにしてくれ。」

レミィ陛下 「!?
 どなたですの?
 誰か、そこにいるんですの?」

ウィルバー 「レミティアーナ女王陛下ですね?
 貴殿に危害を加えるつもりはない。
 案内してほしい場所があるだけだ。そこまで連れていって欲しい。」

レミィ陛下 「お手洗いでしたらそこの角を曲がって左ですわよ。」

ウィルバー 「夜中に怖くてトイレに行けないわけじゃない。」

レミィ陛下 「夜這いはいけませんわ。もう一度よくお考えになって……」

ウィルバー 「だからそうでもないっ!」

レミィ陛下 「貴方は一体どなたなんですの?」

ウィルバー 「ウィルバー=アシスト。
 王城本館3階作戦会議室の奥にある隠し部屋に案内してもらいたい。
 俺の祖先が預けたままの物を引き取りに来た。」

レミィ陛下 「……アシスト家……セリフォス総合図書館の?」

ウィルバー 「ああ、そのアシスト家の者だ。
 正面から乗り込んでもどうせ衛兵に止められるのがオチだと思って
 最初から忍び込ませて貰った。無礼は謝る。」

レミィ陛下 「アシスト家の……。
 お話は300年前より代々聞き及んでおります。
 わかりました。付いてきてください。」

ウィルバー 「その前に一つ聞いていいか?
 どうしてこの王城の玄関には誰もいないんだ?
 それどころか階段の守衛も眠っていたけどよ。」

レミィ陛下 「??? きっと眠かったんですわ、みなさん。」

ウィルバー 「……そういう問題なのか?」


▽……。



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