Forbidden Palace Library #06 揺れるその瞳


王都シルバニア
王城本館3F 将軍私室



こんこん。


……………………

「レナード将軍?」


こんこん。


……………………

「……レナード将軍、秘書です。」


こんこん。


……………………

「レナード将軍?いらっしゃいますよね?……入りますね。」


………………


がちゃっ

レナード 「わっ!おい、入るときぐらいノックしろっ!」

「いえ、さっきからずっとノックしていたんですけど……」

レナード 「……それで、何の用件だね?」

「はい、本日午前の定例報告に参りました。
 本日は朝から予定通り第3軍が軍事訓練、第5軍が……
 って何書いているんですか?レナード将軍?……A計画?」

レナード 「こら、見るなっ!!いいから報告を続けたまえ!」

「あ、はい。
 第5軍が武装整備、その他の軍は通常どおり
 兵舎にてレベルE武装で待機しております。」

レナード 「…………………………。」
(……この計画、
 案2は没として、案5で行くか……)

「……あのー、話、聞いてます?」

レナード 「無論。続けたまえ。」

「わかりました。それで、本日の師団長会議の議題ですが……」

レナード 「…………………………。」
(……いや、まてよ。
 やはり案3という手も……。)

「……あのー、」

レナード 「…………………………。」
(……いや、Dの妨害の可能性も……
 だが案8は……。)


そろりそろり

レナード 「…………………………。」
(ふむ、やはり案5の街灯の下で待ち伏せが一番建設的かもしれん。
 ……印をつけておこう。)

「……街灯の下で待ち伏せ?って何ですか、それ?」

レナード 「あ、こら、見るなといっただろうっ!!!」


がさがさがさっ

「いえ、そんなあわてて隠さなくても……」

レナード 「で、何の用件だね?」

「いえ、ですから本日の会議……」

レナード 「俺は忙しいのだ。
 会議はアークライト副将軍に任せると伝えておいてくれ。
 では任せたぞ。私は作業に戻る。」

「そんなことしたら永遠に会議が始まらない気がするんですが……」

レナード 「…………………………。」
(……案8も捨てがたいが、
 やはり妥当な線で案7か……。)

「あのー、もしもし?」

レナード 「…………………………。」
(いや、焦らないでじっくり考えようではないか。
 この計画、失敗するわけにはいかぬのだから……)

「ダメだ、考え事に熱中してて、人の話聞いていないし……」



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