「突然だが秘書、答えを知りたくはないか?」
「答え?なんです、それ?」
「前作『揺れるその瞳』のあとがきを覚えているか?」
「あとがき、ですか?」
「『実は今回の話、
一部が私自身の過去の経験に基づいているという噂は
全くの事実です。』という箇所だ。」
「あ、
そういえばそんな一文もありましたよね。
それがどうかしたんですか?」
「もう一度聞こう。答えを知りたくはないか?」
「その答えですか?……確かに気になりますが。」
「実は、エンディングの箇所のことらしい。」
「エンディング?」
「その……なんだ。
アリスさんとの……その……
キスシーンというか……。」
「……あ!
もしかして、告白する前にキスしてしまった過去が
木枯吹雪にあったとか?」
「大正解だ。高校の時の話らしい。」
「それよりも、こんなとこでばらしていいんですか?」
「普通に遊んだところでこの隠しイベントはなかなか発見できまい。
パン屋でイベントが起こって王城へ移動できるようになっても、
わざわざパン屋に戻ってこなければ発見できないのだからな。」
「いいんですけどね、別に。」
「前回のアンケートで、
事実に基づく箇所はどこなのかっていう質問が
予想以上に多く来てな。一応答えておこうと思っただけだ。」
「……知りませんよ、次回作で出番が減っても。」
「全ては秘書のせいということで……。」
「ち、ちょっと待ってくださいよぉっ!」
★★★