Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
パン屋ソフトブレット

木彫りの看板の掲げられた小さなお店。
建物自体には相当の年期が入っていると思われるが、綺麗に掃除されているために古くささをあまり感じさせず、むしろどこか懐かしい雰囲気を醸し出している。

ショーウィンドウ越しに見える店の中では、茶色の髪を持った女性がパン生地をこねている。


レナード 「突然だが秘書、答えを知りたくはないか?」

「答え?なんです、それ?」

レナード 「前作『揺れるその瞳』のあとがきを覚えているか?」

「あとがき、ですか?」

レナード 「『実は今回の話、
 一部が私自身の過去の経験に基づいているという噂は
 全くの事実です。』という箇所だ。」

「あ、
 そういえばそんな一文もありましたよね。
 それがどうかしたんですか?」

レナード 「もう一度聞こう。答えを知りたくはないか?」

「その答えですか?……確かに気になりますが。」

レナード 「実は、エンディングの箇所のことらしい。」

「エンディング?」

レナード 「その……なんだ。
 アリスさんとの……その……
 キスシーンというか……。」

「……あ!
 もしかして、告白する前にキスしてしまった過去が
 木枯吹雪にあったとか?」

レナード 「大正解だ。高校の時の話らしい。」

「それよりも、こんなとこでばらしていいんですか?」

レナード 「普通に遊んだところでこの隠しイベントはなかなか発見できまい。
 パン屋でイベントが起こって王城へ移動できるようになっても、
 わざわざパン屋に戻ってこなければ発見できないのだからな。」

「いいんですけどね、別に。」

レナード 「前回のアンケートで、
 事実に基づく箇所はどこなのかっていう質問が
 予想以上に多く来てな。一応答えておこうと思っただけだ。」

「……知りませんよ、次回作で出番が減っても。」

レナード 「全ては秘書のせいということで……。」

「ち、ちょっと待ってくださいよぉっ!」



▽王城前へ行く
▽アーク邸へ行く
▽アシスト邸へ行く
▽ハーシェル邸へ行く
▽ラントシュタイナー邸へ行く

★★★



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