「!?」
「エルネストっっ!?
かの宰相……だと!?
馬鹿な……あれは歴史上の――!」
「……ほぅ。知っての上での発言ということか。」
「その正体を知った者は、生きて帰ることはないと聞き及んでおります。」
「ふっ、その通りだ。」
「これで、私も心おきなく他の法員らを排除することができる。」
「なっ!?」
「あなた方はもう用済みなのですよ。
特に、この法院にカビつくご老体方には。
――宰相閣下への赤絨毯と引き替えに、ご退場頂きましょう。」
「ヴェンツェスラウス、一体何を言っている!?」
「気でも狂ったか?」
「いいえ。私は至って正常ですよ。
10年前、いえ、それよりも昔から。
……リィ・セレル・リィ。」
「光線系魔導っ!?」
「数多の光よ弾となりて突き進めっ!」
「でも、狙いが違う……?」
「シャイニングファランクス!!!」
「ふっ、どこを狙って――!」
「!!!」
「きゃああああああっ!」
「ぐぁっ!?」
「シャンデリアがっ――!?」
「メルフィア、無事か?」
「ええ。こっちは平気。」
「ヴェン……ツェ…………。」
「ふむ……まだ絨毯を赤く染めるには少し足りないようですね。」
「こ、こんなことをして……おまえは……!」
「フェレル・イ・シャスレイン
輝ける球よ、弾けろ!
シャイニングボール!」
「ぐぁああああああああっ!!!」
「……これで心おきなく、歓迎のセレモニーが開けるというものです。」
「酷い――相手は人間なのよ!?
それも同じ法員仲間じゃない!
法員は大嫌いだけど、だからってこんな……っ!」
「ああ、奇遇ですね。
私も法員は大っ嫌いです。仲間などではありません。
特に権力闘争のために、他人の命を弄ぶような老人らはね。」
「!!!」
「貴様もその一人だという事に何故気づかん。」
「権力そのものに興味などありません。これはただの復讐ですよ。」