Forbidden Palace Library / 『星降らす銀の天蓋』 /

■ 法都エルメキア
□ 法院(最高議会)

??? 「!?」

??? 「エルネストっっ!?
 かの宰相……だと!?
 馬鹿な……あれは歴史上の――!」


ざわざわっ

セディ 「……ほぅ。知っての上での発言ということか。」

ヴェンツェスラウス 「その正体を知った者は、生きて帰ることはないと聞き及んでおります。」

セディ 「ふっ、その通りだ。」

ヴェンツェスラウス 「これで、私も心おきなく他の法員らを排除することができる。」

??? 「なっ!?」

ヴェンツェスラウス 「あなた方はもう用済みなのですよ。
 特に、この法院にカビつくご老体方には。
 ――宰相閣下への赤絨毯と引き替えに、ご退場頂きましょう。」

??? 「ヴェンツェスラウス、一体何を言っている!?」

??? 「気でも狂ったか?」

ヴェンツェスラウス 「いいえ。私は至って正常ですよ。
 10年前、いえ、それよりも昔から。
 ……リィ・セレル・リィ。

メルフィア 「光線系魔導っ!?」

ヴェンツェスラウス数多の光よ弾となりて突き進めっ!

メルフィア 「でも、狙いが違う……?」

ヴェンツェスラウスシャイニングファランクス!!!

セディ 「ふっ、どこを狙って――!」

メルフィア 「!!!」


パキパキパキンッパキンッ


ガッシャァァァァァァァァン

メルフィア 「きゃああああああっ!」

??? 「ぐぁっ!?」

??? 「シャンデリアがっ――!?」


ガシャガシャガシャァンッ


…………。

セディ 「メルフィア、無事か?」

メルフィア 「ええ。こっちは平気。」

??? 「ヴェン……ツェ…………。」

ヴェンツェスラウス 「ふむ……まだ絨毯を赤く染めるには少し足りないようですね。」

??? 「こ、こんなことをして……おまえは……!」

ヴェンツェスラウスフェレル・イ・シャスレイン
 輝ける球よ、弾けろ!
 シャイニングボール!


きゅごぉぉぉぅんっ!

??? 「ぐぁああああああああっ!!!」


じわっ

ヴェンツェスラウス 「……これで心おきなく、歓迎のセレモニーが開けるというものです。」

メルフィア 「酷い――相手は人間なのよ!?
 それも同じ法員仲間じゃない!
 法員は大嫌いだけど、だからってこんな……っ!」

ヴェンツェスラウス 「ああ、奇遇ですね。
 私も法員は大っ嫌いです。仲間などではありません。
 特に権力闘争のために、他人の命を弄ぶような老人らはね。」

メルフィア 「!!!」

セディ 「貴様もその一人だという事に何故気づかん。」

ヴェンツェスラウス 「権力そのものに興味などありません。これはただの復讐ですよ。」



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