「ほぅ?
まさか天蓋の使い方が分かったとでも?
設計図すら知らない貴方には、この使い方は――。」
「ふっ。
貴様らが増幅魔導を用いるならば、
私にはメルフィアに作らせたこの武器がある。」
「!? その奇妙な形の剣はっ!」
「これは本来、
量子兵器(クァンタム・ウェポン)を
無効化するためのものなのだが――」
「まさか、音叉剣かっっ!
――なるほど、メルフィアに創らせていたのはその武器か。
だが墓穴を掘ったな、エルネスト。」
「その兵器が必要ということは、
あの剣がまだ存在していることの証しに他ならない。
『カーボンブレイド』と呼ばれた、かの透明な剣が。」
「ふっ。
この場で唯一の証人を抹殺すれば何も問題はない。
この法院を貴様の墓石としてくれよう。」
「果たしてその様な古代武器で何ができるというのです?
愚かなり、エルネスト。
その剣を自らの墓標として差し上げましょう。」
「フェレル・イ・シャスレイン
輝ける球よ、弾けろ!
シャイニングボール!」
「……愚か者は貴様の方だ。ふっ。」
「…………!?」
「え?」
「なっ…………。」
「魔導が、消えた!?」
「……私の魔導を解呪(ディスペル)しただと!?」
「本来は量子シールド破壊のための工具。
だが根幹を辿れば魔導とて量子制御の一手法。
基礎次元が同一なれば応用とて可能ということだ。」
「……これは……実に驚くべき現象だ。
まるで手品(マジック)か何かのようだ。
まさかそんな切り札を隠し持っていたとはな。」
「別の意味で本当に魔法(マジック)なんじゃないの、セディ?」
「ふっ。知りたくばこのセディ様を倒してからにするがよい。」
「……台詞だけ聞いてると、どっちが悪人か分かったもんじゃないわ。」
「何か言ったか?」
「いーえ。なにも。」
「なるほど、
ピンポイントでの魔導攻撃は意味がないという事か。
――天蓋、最大展開。」
「!?」