Forbidden Palace Library / 『星降らす銀の天蓋』 /

■ 法都エルメキア
□ 法院(最高議会)

セディ 「!?」

メルフィア 「熱いっ――……!」

セディ 「ふっ、まさか
 法院の床を灼熱の溶岩に変えるとは!
 魔力を外周へと押しやったのが裏目に出たか……!」

メルフィア 「ちょっと、どうするのよ!周囲から灼熱が迫ってくるわよ!?」

ヴェンツェスラウス 「ははははは、
 エルネストを道連れにできるなら本望だ――!
 これで……貴方も焉わり………だ…………。」

セディ 「…………。」

ヴェンツェスラウス 「逃げ場など……ない……。
 灼熱に飲まれるか……酸素がなくなるか……
 いずれに……せよ……すべては……おわる…………。」

ヴェンツェスラウス 「これで我らは……再び……光の道を……歩め……。」

セディ 「――シャラン・リィ・エリウクセス
 さやかなる輝きよ、散れ!
 シャイニングダスト!!!


シャァァァァァ!

ヴェンツェスラウス 「ごふぁっ……――――。」


ごぽごぽごぽっ

セディ 「ならば望み通り、光の中へと散るがよい。」

メルフィア 「…………殺したの?」

セディ 「うむ。」

メルフィア 「放っておいても、息絶えたのに?」

セディ 「これがセディ様に抗う者の末路だ。
 引導は私が渡す。
 自死など生ぬるい。」

メルフィア 「……貴方、残酷なのね。」

セディ 「ふっ、なんとでも言え。
 だが今はそんな話をしている場合ではない。
 この状況をどうするか、だ。」


ジュウッ

メルフィア 「氷がどんどん溶けてる!」

セディ 「他に足場は――くっ、全て溶岩に飲み込まれたか!」

メルフィア 「結局、絶体絶命ってわけ……。」

セディ 「道は一つだけ残っている。」

メルフィア 「え?」



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