Forbidden Palace Library / 『星降らす銀の天蓋』 /

■ 法都エルメキア
□ 法院(最高議会)

セディ 「天井だ。」

メルフィア 「天井? 無理よ。
 天蓋に塞がれている上に、
 ハイジャンプの魔導でも届く距離ではないわ。」

セディ 「……メルフィア。自分自身に重力魔導を掛けることはできるか?」

メルフィア 「え?」

セディ 「あの工房で浮いていた金属球のように、
 我々を宙に浮かせることは出来るかと
 聞いている。」

メルフィア 「!」

セディ 「どうなんだ?」

メルフィア 「わからない。やったことなんかないわ。」

セディ 「私があのシャンデリア跡の天井に、魔導で大穴を開ける。」

メルフィア 「……セディ。
 貴方の言わんとしていることは理解できたわ。
 でも他に道はないってことよね。」

セディ 「できるか?」

メルフィア 「やってみるわ。」

セディVELLEL VELLEL EVVELLEL(ヴェレル・ヴェレル・エヴェレル)
 Reisse die eisern Herrschaft !
(破れ鉄壁の支配)
 Zerstërung !
(ツェァシュテールング!)


ッバァアアアンッ

メルフィア 「開いた!」

セディ 「手を貸せ。」

メルフィア 「え?」

セディ 「私が左手で貴様の理力を増幅してやろう。呼吸を合わせろ。」

メルフィア 「――わかったわ。行くわよ。」


ぎゅっ

メルフィアウェル・イェアン・セレル


ぽうっ

メルフィア大地を離れろ我が足


ぐんっっっっっ!

セディ 「!!! 浮いたぞっ!」


ジュウッ

メルフィア 「セディ! 掴まってて、飛ぶわよ!」

セディ 「ふっ。貴様を信じる。任せたぞ。」

メルフィアレビテーションっ!!!



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