「天井だ。」
「天井? 無理よ。
天蓋に塞がれている上に、
ハイジャンプの魔導でも届く距離ではないわ。」
「……メルフィア。自分自身に重力魔導を掛けることはできるか?」
「え?」
「あの工房で浮いていた金属球のように、
我々を宙に浮かせることは出来るかと
聞いている。」
「!」
「どうなんだ?」
「わからない。やったことなんかないわ。」
「私があのシャンデリア跡の天井に、魔導で大穴を開ける。」
「……セディ。
貴方の言わんとしていることは理解できたわ。
でも他に道はないってことよね。」
「できるか?」
「やってみるわ。」
「VELLEL VELLEL EVVELLEL(ヴェレル・ヴェレル・エヴェレル)
Reisse die eisern Herrschaft !(破れ鉄壁の支配)
Zerstërung !(ツェァシュテールング!)」
「開いた!」
「手を貸せ。」
「え?」
「私が左手で貴様の理力を増幅してやろう。呼吸を合わせろ。」
「――わかったわ。行くわよ。」
「ウェル・イェアン・セレル」
「大地を離れろ我が足」
「!!! 浮いたぞっ!」
「セディ! 掴まってて、飛ぶわよ!」
「ふっ。貴様を信じる。任せたぞ。」
「レビテーションっ!!!」